書評感想８ 『キャッチャー・イン・ザ・トイレット！』（オナニーマスター黒沢） 伊藤　勝良　変態中学生の青春物語

『キャッチャー・イン・ザ・トイレット！』（オナニーマスター黒沢） 伊藤　勝良　変態中学生の青春物語

著者：伊藤　勝良
出版社：双葉社
２０１３．１０
３２８Ｐ程

カテゴリ：青春小説（？）
おすすめ度：１０点中９点

キャッチャーインザトイレット

オナニーマスター黒沢

２００６年にネットの小説サイトに連載され、人気となった作品。
私はニコニコ動画の漫画版から入りました。
作者の方は１９８５年生まれとか。
原題は「オナニーマスター黒沢」というからインパクトがあります。

特異な性癖を持つ　人との関わりに積極的でないがそこそこ頭の切れる主人公を軸に、いじめ、仲間、憎悪、恋、失恋、幸せ、いろいろなものがつまった中学生活を描いています。
いじめの描写はリアル。
途中から変態？主人公が人として成長していく展開になり、最後には前向きに生きていく主人公たちがいて、後味さわやか。
時期的なものか、随所にデスノートや２ちゃんねるのオマージュ描写があったりもします（漫画版）

内容がオナニーだの、復讐だの、人を選ぶ作品かもしれませんが、引き込むわかりやすい文章と人物の魅力。
久しぶりに熱中しました。
中でも、主人公の友達の良い奴　ブロリー長岡と、ヒロインの滝川マギステルには人として好感がもてます。

〇２０２３年１２月追記

全くの別作者の別作品ですが黒沢つながりで『最強伝説　黒沢』の記事を書いた時ふと思い出して

ミドルエイジクライシスと漫画『最強伝説黒沢』を考える | kyouの今日どう〜ブログ (kyoudoublog.com)

約１０年ぶりに本作品を読み返しましたが
以前と全く同じシーン、長岡やヒロイン滝川マギステルのあるシーンで感動しました。
改めて色褪せない名作だと思いました。
当時の中学生生活っぽさの空気の感じも秀逸！