『石井直方の筋肉まるわかり大事典』
著者:石井 直方
出版社:ベースボール・マガジン
2008.10
431P程
カテゴリ:筋肉について科学的見地からの考察本
おすすめ度:10点中8点
著者の石井氏は元トップボディビルダーの研究者。
筋肉に対する話題が科学的見地からの1問1答形式で展開され、読みやすい。
真面目に筋トレをされる方は、読んでおいた方が良いかもな内容です。
非常に情報量のある本です。
かつて読んでメモした点などを箇条書きすると
・超回復について、筋肉使用後の合成は48~72時間続く。回復期はパフォーマンスが低くなるので、そこで激しくやっても筋肥大には意味がない。
・加齢にともない筋繊維、とりわけ速筋が死ぬため筋力低下する。40歳を超えると顕著。トレーニングでかなり軽減はできる。
・ブレーキング運動は筋肉痛になりやすい
・筋肉痛を軽減するなら運動直後なら冷やす。6時間程たったなら入浴後のストレッチなどで軽減。活性酸素対策にはポリフェノールが特に有効。柑橘類やゴマ油も良い。
*そういえば貴乃花や朝青龍はオレンジジュースを好んだとか
・気分によって筋力アップする。興奮状態になるとアドレナリンが出るため。例えばロッキーなどをかけながら筋トレするのは理にかなっている。
・筋肉には
1.筋肉量
2.最大筋力
3.持久力
4.筋パワーがある
筋肉量なら80%(8回程)
最大筋力なら90%以上(3~4回)
持久力は60%以下(20~25回)
筋パワー(速度とパワーをアップさせる)は40~50%トレが良い。(30回)
*ちなみに70%は12~15回
・高負荷トレの後に持久的トレをするホリスティック法でやると成長ホルモンも出て良い。
・筋肉の回復に必要なもの基本は休養と栄養。疲労物質除去という観点では激しい運動後は軽いエアロビクス。血液中の乳酸濃度を、心臓や遅筋繊維を活発化させて下げる。後は、タンパク質の分解を防ぐこと。それには分岐鎖アミノ酸(BCAA)を摂取。できれば運動前が良い。運動後にタンパク質摂取も有効。入浴やストレッチで血行を良くするのも有効。ハイパワーの持続という点ではクレアチンも良い。
・女性の筋肉量は男性の70%。特に上半身は男性が強い。下半身は80~85%と、差は小さい。女性は持久的な運動に向いている。
・乳酸とは血液中の乳酸濃度が4mMという値を超える運動の強さ。これは最大酸素摂取量の60~80%程度。最大酸素摂取量は心臓の強さ+肺の強さ。筋持久力は、筋繊維組成と筋肉循環の程度(筋肉にどれだけ毛細血管が発達しているか)で決まると考えられる
。毛細血管は低負荷高反復トレで大幅に鍛えられる。
・筋トレを続けていくと、回復速度が増していく。また、使う部位のウォーミングアップをしてからトレすると、疲労回復度が著しくUPするという。
etc・・・etc
筋トレについて詳しく考察したい方は
石井先生の著書は勉強になることが多いと思います。