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書評感想18 『苦しかったときの話をしようか』森岡 毅 就活や転職を考えている人にオススメの本

更新日:

『苦しかったときの話をしようか』

著者:森岡 毅
出版社:ダイヤモンド社
2019.4
308P程

カテゴリ:トップマーケターが就活前の娘のために書いた本
おすすめ度:10点中8点


USJをV字回復させた立役者と知られる著者の森岡氏。
『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』

が面白かったため、本作も手にとりました。

この本は
森岡氏が就活前の娘のために書きためていた
親が娘に送る、就活や人生の指針となる資料を出版したというもの。

いわゆる一流のビジネスマンとして
大手会社のP&Gで会社員として成功~USJでの大成功~経営者として起業
と、誰にでも誇れる道を歩いているように見える著者による
47年の人生経験の知見の一部が記されている。

 

主に就活前の学生、転職を考えている人、現状に満足していない人に対して
・自分の軸を作ること
・そのためには自分が何が好きなのか、何が得意(強み)なのかを分析する必要があること
・成功は常に自分の強みから生み出されること
・会社はその人の強み(職能)にお金を払っていること
・自分の強みを磨いていく必要があること
・多くの人の基礎能力はT(シンキング)、C(コミュニケーション)、L(リーダー性)の3つに分類できる
・自分の軸にそってキャリアプランニングすることをおすすめすること
などの事柄や方法について書かれている。

なかなか長い本ですが
特に最終章の5章は読みごたえがあり
森岡氏がサラリーマン時代に苦境におちいった時の話や
娘にあてた文は胸が熱くなります。

 

他にも
資本主義社会とは人間の欲のエネルギーで成り立っており
「サラリーマン」と「資本家」には資本的に大きな差がうまれること。
日本の現状を考えると
投機と投資を混同せず、
個人資金の2割に満たない個人投資を憂い
米国(約5割)との差に言及。

資本家への道の最短ルートとしては
1.起業すること
2.株のストックオプションなどをもらい、経営改善に貢献すること
の2つをあげている。

さらに、世界の中で影響力が小さくなっている日本を憂いている。
高度経済成長で豊かだった時代は過去の話だと。
日本が全盛期の頃の年収500万の豊かさを得るには今は年収1000万くらいの感覚
そして
例として、かつては世界経済の16%を占めた日本だが
現在は6%である。
このままでは1億2000万人がこのまま豊かに暮らしていくことはできない
もはや瀬戸際だ。
個々の覚醒
そしてあらやる分野でプロフェッショナルを輩出していくため、若い世代の教育の改革が必要である、と。

 

人間として練磨されてきた人というのを感じますし
47年間の人生経験は読んでいて勉強になります。
そして、著者の森岡氏でさえ
サラリーマンの限界
会社において自分が正しいと思うことと異なる意思決定をされることを甘受
しなければいけない時があることに内心反旗し
自らの生き方を全うするために起業し「自由」(+責任)を得たという事実。

森岡氏程の実力があってもそうなのですから
サラリーマンはせちがない部分はあるなぁと(感じ方は人それぞれですが)
思わざるをえません。
もちろん本書にあるように、サラリーマンの生き方が合っている人も多数いるでしょうし、それも立派な生き方だと思います。

就活や転職を考えている人に、オススメの本です。
社会人が読んでも、新たな発見や現状との答え合わせができる本ではないかと感じました。

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