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書評感想17 【GWに読みたい!オススメ経営者のビジネス書5選】書は知の遺産なり 

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GWに読みたい!
オススメ経営者のビジネス書5選

時間のある方も多いだろう
平成最後にして令和最初のGW10連休。
今まで読んだ経営者の本の中でも
特にオススメできる5冊をご紹介します。
どれもあなたの人生に一石を投じるかもしれない
素晴らしい情報の詰まった本です。

『サイゼリヤ おいしいから売れているのではない 売れているのがおいしい料理だ』

著者:正垣 泰彦
出版社:日経BP社
2011.7
203P程

カテゴリ:サイゼリヤ創業者の経営方法
おすすめ度:10点中10点


とにかく情報量が凄まじい本
サイゼリヤ創業者にして会長の著者による
飲食店経営のほぼ全てが詰まった本。
最初の1号店はお客のケンカが元で燃えたなど、興味深いエピソードも。
理系的な思考で、理路整然と正しい経営の在り方が書かれている。

・最初の店はならず者のたまり場になり、燃えた
・値打ちがあればお客はくるはずとスパゲティ価格を7割引きにしたら行列ができた
・代名詞のミラノ風ドリアはこれまでに1000回以上マイナーチェンジして改良している
・値付けの4、8,9.語尾が4,8,9は安く感じる
・仕事場の能力を左右するのは知識が2割、経験7割、経営哲学の理解が1割
・リーダーに大切なのはビジョンを持つこと。そして周囲に言い続け、協力してくれる人を増やさなければならない。
etc
個人的にもサイゼリヤは好きです。

 

ブチ抜く力

著者:与沢 翼
出版社:扶桑社
2019.3
336P程

カテゴリ:自己啓発本、考え方、自伝
おすすめ度:10点中9点


著者の与沢翼氏
アパレル会社起業~情報商材での大儲けで一躍有名になり
一時期「ネオヒルズ族」、「秒速で1億円を稼ぐ男」
マスコミを騒がせ、その後、会社破綻も復活という噂を聞いていました。
『闇金ウシジマくん』という漫画の「フリーエージェントくん」編で
モデルと思われる人が出てきたりと
なんとなくは知っていましたが、今回、初めて著書を読んでみて
凄く正直な人、そして頭の良い人なんだろうなということを感じました。

 

基本は
与沢氏の考え方や人生哲学
・高校の勉強がほぼ0の状態から8カ月で早稲田に合格
・65日で22kgのダイエット成功(91K→69k?)
・投資で億万長者復活、現在は推定70億円程の資産規模に。投資の考え方など。
・3週間単位での集中
・ブチ抜く方法
などについて書かれています。

 

読んでいて
物事の本質をとらえる「センターピン理論」
ジュリアナ東京やグッドウィルグループを主催した折口雅博氏を彷彿とさせます。(この人も不死鳥の如く何度も復活して活躍していますね)

また
一点集中のストイックさ
「自分で考え、自分で決める」ということを徹底しているところは
伝説のやり投げ選手:溝口和洋選手に似ているとも感じました。

 

何だか詐欺師のようなイメージを持っていましたが
この本を読むと
若いうちから物事をよく考え
自分の理想を実現するために動いて来た。
(お金持ちになれば、自分が嫌な人と付き合わないでもいい権利を得ることができる。また、家族や友人と最高の環境で幸せに暮らせる)
そして1度は終わったと思われたものの
それから僅か4年で完全復活してそれを実現させた与沢氏。
家族の幸せに言及しているところなどは人間味が。

お金の悩みから解放されて、自己実現に生きる!
これは本心ではみんなそうなりたいと願っているのではないでしょうか?
それを実現した与沢氏は決して運ではなく
自分の才覚とストイックな努力で
ブチ抜いて
復活したのだなということを感じる本です。
誰しもブチ抜きたい
けれど
そう簡単にブチ抜けないのが現実ですが
ブチ抜きたいという方におすすめです。

 

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか』

著者:森岡 毅
出版社:角川書店
2014.2
252P程

カテゴリ:USJマーケティングトップの経営戦略
おすすめ度:10点中9点


V字回復の立役者、USJのマーケティング部トップの著者が書いた本。
*2017年1月にUSJを辞めて「刀」というマーケティング会社を設立

2011年から3年連続増員のV字回復にして、2014年のハリーポッターへの思い。
読んで、凄く総合力の高い人なんだろうなという印象を受けた。
マーケティングのプロでありかつ、実行力や交渉力etc全ての力が錬成されている人といった印象。
お金をかけられない中、アイデアでホームランを連発
ゾンビと遭遇、世界地のツリー、ファミリー層獲得、枠をせばめない、人気コンテンツ誘致などなど

そして、そのホームラン連発の理由は成功する確率を高めたから。
非常に合理的だ。

一方でモンスターハンターを2ヶ月で400時間やり込む等、何故それが世間に受けているのか、その理由を自分で体感した上で、その魅力を活かす方法を考えるという地道な面も。

好きな仕事で社会貢献することに喜びを感じているetc
自分の仕事に絶対の自信を持っていることも感じられる。

アイデアの連想法として
1.まず目的を精選する
2.その目的達成の必要条件を書く(経営資源の考慮等も含める)
3.それを基に、アイデアを考える!
というもの
これは何にでも応用できそうです。

 

プロ経営者の条件

著者:折口 雅博
出版社:徳間書店
2005.3
221P程

カテゴリ:経営者による経営についての本
おすすめ度:10点中9点


人材派遣大手だったグッドウィルグループ代表取締役社長にして
一世を風靡したジュリアナ東京、ヴェルファーレ、介護のコムスンなどを企画運営した折口氏の著書。

この本を読んだのは2010年ですが
その時には折口氏は表舞台から消えていて、絶頂期に書いた本だと思っていました。
(その後は、レストランのMEGUブランドを育てたりアメリカで活躍されていたようです。現在はブロードキャピタルパートナーズという企業に投資する会社のCEO)

グッドウィルを10年で売り上げ1400億円企業に。
子どもの頃は超大金持ちから小学1年生の時に?父の事業が急転直下倒産
生活保護暮らしへ。
その時の悔しさがエネルギーになっているとのこと

仕送りをするために自衛隊少年工科学校→防衛大学理工学専攻
自衛隊で学んだ人間学

極限に疲れている時に、食事作り、率先してやる人間、しぶしぶやる人間、見てみぬふりをする人間、最初から全く無視している人間
本当のボランティアができる人は、ほんの一部の人たちです。

そしてジュリアナ東京を立ち上げ独立。

折口氏といえばやっぱりセンターピン理論
ディスコのセンターピンは「常に満員であること」
「いつも大勢の人がいて、毎日盛り上がっていること」
無料招待券大量配布→有料入場者へと。

介護サービスのセンターピンは「居心地の良さ」

・人が伸びる教育について夢と志を持ち~になりたいから~する が本道ではないか。報酬を与え、株式を与え、ポジションを与え、責任を持ってもらう。

コムスンの介護報酬違法請求やグッドウィルの違法派遣などで再度苦境に陥る折口氏。波乱万丈の人生。一時期、悪者のような報道もありましたが、この本を読むと決して悪い人とは思えません。「できる人」であり、経営者として素晴らしい人だったのではないだろうかと感じました。

・誰にも負けない努力をしている人が勝つ

事実、消えたと思われた後、2019年現在、不死鳥の如く復活して活躍されているようです。『ブチ抜く力』の与沢氏もそうですが、真に能力のある人は必ず活躍するものなのでしょう。

 

『利益第二主義―過疎地の巨大スーパー「A-Z」の成功哲学』

著者:牧尾 英二
出版社:ダイヤモンド社
2009.10
200P程

カテゴリ:スーパー経営者の経営についての本
おすすめ度:10点中9点


過疎地、鹿児島県阿久根のスーパーAZあくね。

その理念は
「都会から見放された過疎地でも、人々が便利に生活できるようにお手伝いする」
というもの。
1日平均1万7000人が来店(年間650万人に換算)

決して小売業をやりたかったわけではない著者が、41歳の時に、家族のピンチに身をまかせ、ホームセンター開業。本意ではなかったが、天命、天職であると定める。

1億2000万円の借金の危機的状況から、現在の繁盛店にまで成長。

注目すべきは、著者はしっかり現在の小売業に関するセミナーや研修、コンサルティングの助言等を経験した上で、現在の小売業の常識を覆して成功している点だ。基礎を知らずに無鉄砲にやっていたわけではない。

阿久根市は人口2万7000人。商圏多く見て5万。3分の1は高齢者。規模的には1万平方メートルの大型スーパーでは30万人の人口が必用と言われていたが、阿久根はその10分の1.
しかし、3倍の来店回数×3倍の買い上げ点数で3*3*3=27万である。

基本は生活者の視点に立った小売業で「お客様第一主義」

POSによる販売効率とは対照的に、「死に線」はなくA~Zまで豊富な商品。商品数23万スタートの現在36万
・醤油だけで260点。お年よりは昔ながらのものが好き
・田舎は夜が早いという偏見を覆す。夜9時~朝7時で売り上げの3割近く
・夜7~8時に全売り上げの4割?がある
片道100円の「買物バス」を運行。採算度外視。赤字なだけだが、お客様のニーズに応えるために。
・パートも社員も待遇はほぼ同等。定年なし。雇用は地元がほとんど。

まとめると、生活者に寄り添った経営を理念として、その結果利益として、というか地域特性を知り尽くした場所でシェア率を極限まであげている。
赤字が出なければ雇用も生まれ人の役にも立っているのだから、それだけでも世に役立っているといえる気がする。
著者は利益優先よりお客様優先をとり、実践し、成功している。
人生死ぬまで修行
こう生きることで社会的役割を果たせると感じているという。

良い生き方だなと、著者の人間性も良いなと感じる本です。

 

 

 

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