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最近ブラックと言われる教師・教員をやっていた時の感想【過労死する前に教師のバトンをつなげて】改善案

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最近ブラックと言われる教師・教員をやっていた時の感想 ずばり労働環境はブラックだったけどやりがいはある…けれどずっとあの生活だったら壊れていただろう 改善案

もう10年以上前になりますが
一時期小学校教師を目指していたことがあり、
2年近く産休代替などで働いていたことがありました。
ひっそりと、その時に思ったことを忘備録も兼ねて書いていきます。
最近、2021年4月現在、文部科学省発案の「教師のバトン」で多少話題になったりしていますが。
(文部科学省的には教師の仕事の良いところを投稿して欲しかったが、現場からは労働環境がきついことが多く伝えられている)

 

小学校教員の一般的な1日

だいたいの学校が8:15~8:25くらいが登校時間です。
教師の規定勤務時間は8:15~16:45?くらいだった気がしますが、実質的に子どもが来る30分前には学校に行く必要があり
7:30~40に出勤~準備
8:30~15:30 授業 6時間目がない5時間の場合は14:30頃に子ども下校
16:30頃 職員会議
16:45~事務作業、校務分掌作業、授業準備、行事準備etc
19時~20時頃 帰る

*音楽や図工で専科の授業が入る場合は、授業する必要がないので貴重な休み(作業)時間になる

*ただし、成績をつけたり研究授業だったり行事準備だったり繁忙期はもうちょっと遅くなることあり

*水曜は他校などへ行く研修が入ることが多く、その場合帰ろうと思えば5時くらいに帰ることができる。ただし、5時以降に学校にもどってきて作業する先生も結構いた。なんかどこからか沸いてくるのかいろんな作業があった気がする。

*ノートを見たり、テストの採点だったり各種終わっていない事務作業をするために、だいたい土日のどっちか3~4時間くらい学校に行っていた気がします。

*運動会や楽器の朝練など、早いと7時~7:30くらいからあるので、その担当になると実質的にその時間より早く出勤。若手は朝、校庭に石灰のライン線ひいたりなどもよくやっていた気がします。

*給食中も指導などがあるので休憩時間ではない。実質的な休憩時間は4:00~4:30くらいに設定されていた気がするが、その間休んでいる人はほぼいなかったような。

*学校にもよると思いますが、夜9時までやっていて電話が鳴る→出る→~対応する、電話対応若手が出ることが多かったが、正直いちいち電話出ていたら作業効率めちゃ悪かったと思う。

*大雪の日など、朝登校の安全を守るために除雪作業等しなければいけないが、朝早く出勤しなかった教諭に校長がキレていたことがあったが、これも今考えると難しいところだと思う。当時はそういう日は朝早く行って作業するのが当たり前の感覚でしたが。

基本全体の仕事→学年の仕事→自分の仕事 の順にせよというお達しがある。学年会とかを18時からする~などよくあったが、厳密に言うと勤務時間過ぎたところから半強制的な仕事を設定されるというのは、あまり良くないのではと思う。今考えると。だいたい授業準備する時間が正規の勤務時間内に実質ないので就業時間終了後の17時以降や家で準備することになる。
1度やってみたらわかると思いますが、45分の授業とはいえいろいろ目的や構成や子どもの反応などを考慮して組み立てるのは非常に難しく、質的向上も考えると終わりがない作業。それが1日5回とかあるのにその準備時間が全く考慮されていないのは異常といっていいと思う。

つまり通勤時間を含めると
6時過ぎに起床~学校~夜8時~9時前に帰ってきてお風呂入って夜食食べてバタンキュー→6時起床~
・・・ん~今考えてもブラックですね。残業代0ですし。
1日3~4時間残業として一カ月で残業最低60時間以上。
中学だと部活指導なども入ってくるので、小学校以上に残業時間は増えるでしょう。

 

2016年の小中学校の教員を対象とした文部科学省の「教員勤務実態調査」では小学校教員の33.5%、中学校教員の57.7%が過労死残業ラインを超え、持ち帰り残業や実質的な休憩時間なども含めて考えると小学校教員で約6割、中学校教員では約4分の3が過労死ラインである週20時間以上の残業(月に80時間以上残業)に該当していたといいます。

毎年5000人前後の教員が心身の疲れで休職に追い込まれるという事実もあります。
実際問題、教師を目指す!と仮に子どもが言い出したとしたら、親として本音は止めたいと思います。割に合わな過ぎるので。

 

先生たちは凄い!

前にもどこかで書きましたが、サークルなどでいろんな職種の方に会う中で、教員の同僚は良いなと思う方が多かったです。
何より、伝えたり協力したり資料作ったりコミュニケーションしたり、たまに理不尽な保護者対応をしたりマルチな能力を要求される教師という仕事を、上記サイクルのように自分の時間を犠牲に子ども達に捧げ、普通にこなしているだけで尊敬の対象です。
正直、今思うとこの働き方はやりがい搾取なのでは?と思いますもの。マジで教員やっている時は忙しくて、慣れていないし経験値がなくて授業準備が大変だったのもありますが、心に余裕がなかったです。
学校には病休などしている人もいました。正直、市役所などに勤めたことはないですが、ひましている市役所の地域出張所とかの10倍以上忙しいと思います。界王様だって界王拳は2倍までにしておけって悟空に注意していましたよね!?

教員なったけど三か月で体壊して辞めたー!なんて話も仲間内や知り合いで結構聞きました。

 

私が教員は無理だなと思ったところ

・めっちゃ効率的にできる先生は定時の5時頃に帰っていた気がしますが、それでも別に早いわけではないと思う。8時~17時でも既に9時間。今の自分の感覚からすると1日8時間以上フル稼働かつフル拘束されるというのも嫌。可能ならば1日3~5時間労働くらいがちょうど良い。

仕事量に対して、給与ははっきり言って低い。内容的にはもっと貰わないと割にあわない仕事だと感じた。昔はお金には無頓着で残業や待遇に対して何も思いませんでしたが。

・私がいた学校ではいつも学校に副校長がいた。副校長は過労死するのでは?と思ったくらい。管理職になってもそれでは。校長は副校長よりは自由に働いていた気がしますが。副校長(学校によっては教頭)は全学校の配布物のチェックだったり全クラスの週案(週の授業計画)のチェックだったり地域やPTAとの折衝や付き合いだったり、傍から見ても仕事量ヤバ過ぎた。

・上記サイクルの仕事(通勤時間入れたら朝7時~夜9時まで仕事)をやっていたら、自分の時間、ひいては家族の時間を持つことも厳しい。若い時の数年だったらともかく、一生の仕事としてはやってられないと感じた。

・クラスを持つ担任はやりがいは凄くある。ただし学年で歩調を合わせるため、変な先生が同じ学年にいると大変そう。また、学校は最高責任者であり最高権力者でもある校長によってかなり職員室の雰囲気は変わる。(権力の構図は基本は校長←副校長←(主任や主幹といったベテラン教諭)←その他)仕事がハードな上に校長とフィーリングが合わないと余計疲れる。若手の真面目な人がよく校長に泣かされていたことがあったが(多少理不尽に思える理由の時もあった気がするが)それでも真摯に向き合っていて、こういう人が教師に向いているんだろうなと感じた。多分、子どもや同僚先輩への愛の強さが原動力なのでは。

・保護者の方の中に、面倒な人がいる場合がある。その場合でも基本的にきちんと対応しなければならないため、時間と精神を削られることがある。幅広い人間への無償の愛がないと教員はきつい。

・教師として一流になったとしても、結局大きな枠では権力的に校長・副校長の下でやるというのは、自分の生き方に合わないと思った。かといって校長になることが魅力的とも思わない。ある程度凄いとは思いますが。

・休むと自分のクラスを誰かが補講しなければいけないので(基本は欠員対応は副校長と、同じ学年の先生がする・・・ただし副校長は各学校規模にもよりますが1~2人なので、仮に2人以上教員が長期で休んだらカオスになると思う)早々、休むことはできない。

・正直、教師として自分より凄い!上だなと感じる人が多かった。もちろん努力したらより教師として成長していける自信はあったが、やってみていろいろ自分には合わないところがあると感じた。

・教育委員会事務局の人もピンキリだと思いますが、採用面接の時などで一部傲慢な感じの人もいて、嫌だった。具体的に言うと傲慢さを感じたのは文京区の教育委員会事務局の人。

・上記のようにいろいろ大変だったが、そのぶん経験値は積めるし、子どもたちにとっての影響力は大きいし、やりがいは凄くある。同僚も、激務をくぐり抜けてきている戦士達だけあって、良いなと思う方が多かった。私によく指導してくれた教諭とは、ずぼらな私にしては珍しく今でも年賀状や、節目の報告をしたりしています。尊敬できる人との出会いはあるかも!

 

労働条件改革は必須だと思う こうしたら良いなと思う案

真面目に思い出してみて、大変だったなぁ良くやってたなぁという思い出が一番先にきますね。大変さが身に染みるからこそ学校の先生は凄いと思います。あの環境で日々やっているのだから超人とすら思う。
ある意味、学校の先生の頑張りに日本の教育がいろいろ支えられている部分がある気がします。
ただ、残業代0だし、激務やストレスで体や精神を壊したりする先生が後を絶たないのも事実。
なんとか良い方向に持っていってほしいですね。
なんとなく思ったことをあげると

 

・5時以降は職員室電話対応保護者対応なし(大怪我等の命に関わる緊急時除く)
電話対応してると労力、かなり割かれます。保護者対応も同様。
電話とりまくって自分の仕事もきっちりこなしていた同僚若手は神だったけど、そういうパーフェクト超人は稀でしょう。普通の人には無理。

 

・悪名高い自腹3万以上+休日5日を消耗させられる2009年から始まった教員免許更新制度をどうにかする
詳しくないのでわからない部分もありますが、10年に1回免許更新制によって免許期限切れ失効の人が多発して、ただでさえ多くない講師や非常勤の方が減り、ひいては学校現場に人が足りないというダメージになり、つまり教員の疲労度が更にアップする悪循環になっているという話を聞きます。
教員免許更新は30時間以上の所定の講習を受け、実質まる5日間必要です。費用は全て自腹らしいです。

*2022年5/11に2022年7/1をもって教員免許更新制度が廃止されることが決定!今までの期間中に免許失効してしまった人も免許復活できるようです。
それだけ、今教員、特に臨時的任用・講師・非常勤の先生が全然足りない補充できないという問題があったので、1つ良かったと思います。近年、講師のなり手がいなくなり過ぎて登録面接もなくなっていたといいます。
正直、臨時採用でやっていた身としては、あんな不規則な待遇な上に激務で、免許更新がなくなったところでなり手がいなくなって当然では…と思いますが。上から目線で採用担当の人の態度が悪い教育委員会もありましたし。結局雇用の調整弁の調整アイテム的存在なのですよね。費用が限られているというのはわかりますが。
ただ
本来、学校における非常勤の先生は、引退した人や、時間的余裕のある人が趣味や生きがいとしてやるという方が合っているのかもしれません。産休代替としてなど、フルタイムでやるならよっぽど若さか情熱がなければ割に合わないなと個人的には思います。

 

・勤務時間内に完結する仕組みづくり
デフォルトで毎日3時間残業の時点でヤバイのですが、若手はもちろん、経験豊富なベテランもですからね。時間効率が悪いどうのという問題でなく、物理的に処理不可能な仕事内容があるから。いろいろ優先順位が低い作業をやらない、切る、短縮しないと時間内無理です。1日は24時間だし労働は基本1日8時間までです。枠内に収めないと。というか8:30~15:30が授業で15:45~16:30が休憩時間、16:30~16:45が職員会議として、一番時間がかかって大事でもある教材研究授業準備の設定時間15:30~15:45の15分だけですか!?ノート見る時間は~採点する時間は~校務分掌の作業する時間は~週案指導案作る時間は~クラス掲示する時間は~
この時程で時間内は無理ゲーです。時程作った時点で無理ってわかるでしょ。もっとゆとりを持った時程を組まないと。

 

・可能な限り1クラス2人で見れたら良いのではメイン(担任)とサブで
生まれも育ちも性格も能力も多様な35人とかを1人で見るのはメッチャ大変です。2人いたら、全然違うと思います。予算的に難しいのかもしれませんが、これが一番の解決策かもしれません。教育は国家の根幹なので、予算かけて間違いないと思いますが。
教師になりたい人で、サブ(副担任・授業補助的な立ち位置)で入りたいという方はたくさんいるでしょうし、経験のあるメインの担任の先生と一緒にやる事で、指導技術から児童生徒対応まで様々なことを勉強できるでしょう。ノウハウ伝達。メイン(担任)にとっても、事務作業などいろいろ任せることが出来たり、心強いはず。子どもにとっても1人より2人の教師がいた方が、多様性という点でメリットは多いです。ある意味メイン(担任)がハズレとか相性悪くてもサブの先生がいるから学校楽しい!という子も一定数出てくるでしょう。

 

・根本から学校という場の機能と教員の役割を見直す
オンライン授業も一般的になってきた現在、東進ハイスクール的な専門的な講師による映像授業を取り入れたり、根本から学校という場と機能を見直すというのも実験的にはありかもしれません。多くの授業は一流講師の映像配信等に任せて、教師は適時解説やサポートに徹するなど。IT化といっても、新型コロナ禍の休校時でもあきらかになったように多くの学校では旧態依然、(授業のオンライン配信等実施できた学校がどれ程あったのでしょう)かつて自分達が受けていた教育(つまり20年以上も前のやり方)と大きくは変わっていない方法で教育活動されている気がします。個人の資質と過剰労働に頼る仕組みは限界にきているのでは。

 

今日も頑張っている日本の先生達に乾杯!

 

番外編 教員の不祥事について思う事

よく教員が~~~
女子生徒と~~~
男子生徒に~~~etc

教員の不祥事はよく報道されているイメージがあります。
「教員なのに~」と思うというかニュースバリューがあるから
教員の場合特に報道されやすいのだと思います。

不祥事を起こした人を擁護する訳ではありませんが
私が思うのは
思い出すと、たしかに教員をしている時は勤務時間等もろもろ含めてストレスが多かった。
その環境が教員の精神状態に悪影響があり、そのストレスの発散のために
普段だったら起こらないような事も起きやすいのだろうなということです。
もちろん、だからといって犯罪は擁護できません。

 

以前にも「環境を整える」という話題に触れたことがありますが

一定以上暑かったり疲れていたりすると全ての気力が減退する【環境を整える】【猛暑注意】 | kyouの今日どう〜ブログ (kyoudoublog.com)

教員の労働環境が整えることができたら、確実に不祥事も減るのではないかと思います。
それが急務だと思いますが、話題に出て10年以上経ってもなかなか変わらないのはなんとも
それは政治や文部科学省等の関係機関の稚拙さなのかもしれません・・・
優先順位として、非常に高い事だと思うので本来爆速で取り組むべきことなはずですが。
最近2023年も給特法の4%を10%にするのような話題が出ていましたが
ズレ過ぎです!!
待遇面ももちろんありますが
それより多くの教員が望んでいるのは、まずは時間の確保でしょう。
恒常的な残業がなくなることが必要です。
そのための業務の取捨選択やフォロー体制が必要です。

 

また1つ村が死んだ(1人有望な若者が去った)

2023年~2024年現在の話として、
熱心な新任の先生が3月末で辞職したという話を聞きました。(3月までやり切るのは責任感を感じます)
噂では何かの検査の提出物のミスで保護者から裁判するぞ?のような連絡などもあったのが一因でないかとも。
・・・
何というか、もちろん詳細はわかりませんが
学校現場は私が少し滞在していた15年以上前から、変わらず
もしかしたらもっと厳しくなっているのかもしれない。
もちろん
優秀な若者にとっては、とっとと合わないものに見切りをつけるのが賢いと思いますが
日本の教育全体で見て
きっとこんなことが頻繁に現在起こっているのだろうなと思うと、心配です。

 

最近の若者は~なんていうのは老害と言われる思いますが
若い人でちょっと頼りない人が増えてきている気がするのは
教育の質の低下(学校現場の環境の悪化)と因果関係があるのかもしれない…

 

 

 

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